2015年9月10日に発生した台風18号による関東・東北暴雨。
先日レポートした佐藤理香さんに引き続き、私も常総災害FM放送局でアナウンスのお手伝いをするために、常総市役所本庁舎を訪ねました。
私が駆けつけたのは、10月8,15日の二日間。
被害発生から1ヶ月以上経った今をレポートします。
10月15日、止まっていた関東鉄道常総線の水海道~下館駅間は通常の80%程度の運転本数となっており、水海道の駅を下りて町中もパッと見たところ普通の様子を取り戻しているように見えました。
ところが、駅前こそ一見普通の様子であるものの、よく見ると依然として家の前に粗大ごみが多く出ています。また、営業が再開できないお店や病院も多々みられます。
市の方や常総災害FMの方にお話を聞くと、ボランティアの方が多数助けてくれているおかげで(シルバーウィークには3,000人近くの方がボランティアに参加されたそうです。)家の中の片付け自体は進んでいるものの、粗大ゴミがまだまだ多く出すのが大変ということでした。また現状では市は被災ゴミを受け入れているだけの状況で、今後どのように処分するのかは未定だということです。
また、水害に合った家は片付けが終わった後も消毒が必要で、きちんと消毒しないと細菌が繁殖し感染症がおこりやすくなるそうです。その際に必要な消毒に必要な消毒液や石灰は市役所で配っています。
ちょうど私がお手伝いに行った日も隣のビルが石灰で消毒していました。
自宅の消毒などは、片付けた後に消毒をするために乾燥させるのとても時間がかかり、建物自体が流されずに残っていても依然として消毒作業が進まず、自宅に戻って住むのは難しい方が多いそうです。
このようなことなどから自宅に帰れない人が避難所に313人(10月15日現在)いらっしゃり、うち26人は外国人ということでした。まだまだ不安な避難所生活をされている方が多いことに驚きました。
水道に関しては基本的には復旧しているものの、まだ浄水場が完全復旧していないために水圧を調整し各家庭の供給している状況でした。また、井戸水も汚染が懸念されるために検査が終わるまで飲めない状況が続いているなどの状況から市役所前には給水車が止まっており、自由に水をもらえる状況になっていました。
そこでみた非常用の飲料水用の袋を紹介します。
ポリタンクやペットボトルなど、水を持って歩く手段の無い方に提供されている袋で、お水を簡単に安全に運べるものとなっています。しかも何度もつかえるようになっているものです。
この袋には太いベルトが付属しており、それを通すとリュックサックになり誰でも運びやすくなっているという優れものです。災害直後は水を持って歩く容器がない方が多く、とても便利だったというお話でした。
さて、今回私がお手伝いさせていただいた災害FMがある常総市役所本庁舎はというと、1階部分は水害にあってしまったために現在着々と復旧作業が進んでおり、窓口業務は現在仮設の建物で行っていました。
また議会棟も同じように水害に合い、復旧作業中でした。
常総災害FM放送局でアナウンスのお手伝いをさせていただいた時の様子をレポートさせていただきました。
常総災害FM放送局ではこのような現状の中、ボランティアの頼み方/参加の仕方、粗大ごみの出し方、消毒液の貰える場所/方法、水道状況、避難所情報そして過ごし方、炊き出し、各種相談窓口についてなどを案内しています。
正直、最近常総市に関するニュースを常総市以外ではあまり見かけなくなり、市外に住んでいると一見平常時に戻っているのではないかのような錯覚をします。避難所暮らしを余儀なくされている方も多く、まだまだたくさんの方が支援を必要としています。
ですが着実に復旧作業が進んでいることも確かです。
2日間だけですが常総災害FM放送局で、行政からの情報とみなさんへの声の架け橋となれるように、意識して心をこめて伝えてきました。
鬼怒川堤防決壊により被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
一日でも早く安心な暮らしが戻るようお祈りしております。
文責:直海ユキ
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